【高校入試】2018年度全国の出題傾向

すっかり寒さも厳しくなり、いよいよ受験シーズン到来です。受験生のみなさん、志望校へ向けて日歩努力を積み重ねられていますか?ここ数年の受験は【2020年教育改】の影響で大きく変化しています。2020年教育改革の一つとして、新学習指導要領の導入については、以前の記事でもお伝えしました。

こちら → 「小学生英語。慌てていないのはあなただけかも・・・」

 

今回は、最新の高校入試の傾向をお伝えする間に、その背景にある「大学入試制度の変更」についてお伝えし、その変更が高校受験に与える影響(最新の全国高校入試の傾向と対策)についてお伝えしたいと思います。

 

【背景】大学入試制度の変更

お客様
いろいろ変わるとは聞いてるけど、具体的にどう変わるのかしら?
ハカセ
まだまだ検討中の部分も多くあるが、現在発表されている内容で簡単にお伝えしよう。
何が変わる?

・センター試験が廃止
・新しい共通テストへ移行
・数学と国語で記述式問題を導入予定
・英語は指定民間試験を採用

現行のセンター試験はマークシート式で、1990年から実施されてきました。しかし、国は、現代社会の変化の速さに対応できるように、「知識量だけでなく、自己課題発見能力・新しい価値を生み出す創造力が重要」と考え、時代に合わせた力を測定できる試験に変更する方針です。そして、2020年度から新しいテストが始まるのです。

2020年度実施から変更になるので、現高1生の大学入試からが対象。当然、大学入試が変わるということはそれに合わせて、高校の指導内容が変わります。そうなると、高校の入り口になる【高校入試】も変わるのです。

この大学入試制度の変化と影響については、また詳しくご紹介していきます。今回は、この背景を踏まえて、高校入試がどう変わっているのかをお伝えします。

 

 

2018年度高校入試の傾向

では、2018年度全国で実施された高校入試にどういった傾向が合ったのかを各教科ごとに紹介していきます。これからの受験勉強のラストスパートの参考にしてください。

 

<英語>

ー 傾向 ー

リスニング問題と英作文問題がこれまで以上に難しくなっています。これは新学習指導要領にもあるように「英語4技能(「聞く」「話す」「読む」「書く」)」への対応で出題配分が変わってきている影響だと思われます。ただ、基本問題としての単語力を試される問題も、出題形式は県によって異なるものの増加傾向にあります。

全体としての難易度は昨年と大きく変わっていない印象です。ただ、時事問題を題材にした出題が目立ってきましたので、基本の単語力・文法だけでなく、幅広い知識とテーマに対する解答力(創造力)がより必要となる傾向があります。

 

<数学>

ー 傾向 ー

県によって、差が出始めている教科です。入試改革に先行的に沿っている県では問題自体はやや易しめになる傾向があり、それ以外の県では、難しくなる傾向が見られます。難易度の二極化はより進んでいる印象です。

出題では、計算・一行問題以外の大問では、問題文の文字数がグッと増えて、条件がより複雑になって出題されています。身近なテーマが取り入れられ、長文化している文章題が目立ちます。ただ、問題構成自体はほぼ昨年と同様のままの県が大半です。

 

<国語>

ー 傾向 ー

全国的に難易度は昨年と比較してほぼ変化なしです。

出題については、大学入試改革の影響を一番大きく受けているかもしれません。いわゆる作文問題では、複数の文章(資料)を読んで内容をまとめる問題や、プレゼン型(発表内容を考えさせる)問題の出題が増え、課題解決力・提案力がより問われるような傾向にあります。また、読解問題などの題材には、「人工知能」など最近話題のものが多く取り入れられています。

 

<理科>

ー 傾向 ー

理由を説明させる出題が増えています。単なる用語暗記で対応できる設問は減る傾向にあります。選択問題でも「すべてを選ぶ」というような出題形式が多く見られ、知識の理解・定着がしっかりしていなければ得点につながらないようになっています。ただ、頻出単元の傾向は大きく変わっていないようです。

出題形式上、記述問題の配分等で県によって平均点の差・変動も大きくなりますが、全国的には複雑な設定問題が減り、典型的な出題が増えた県が多いようなので、若干易化傾向にあります。しかし、設定は典型的になった分、知識を活用するような出題が増えていますので、これまで以上に深い理解が必要になっています。

 

<社会>

ー 傾向 ー

時事問題をもとにした出題は継続して増えており、定番化しています。資料読み取り問題や正確な知識を確認する出題が大半です。これまでの知識を問う出題から「思考力・判断力・表現力」を問う出題形式への移行はやはり進んでいます。用語量や出題形式の変化から、一見すると難しくなったようですが、出題パターンを知っていれば、中身自体は意外とシンプルで対策はしやすそうです。

 

ハカセ
もちろん、県ごとの傾向があるので、受験県の傾向をしっかり見ておこう。
2020年教育改革では、一言で言えば、【社会に出て即戦力になる人材の育成】と言えます。専門知識ではなく、まとめる力やコミュニケーション能力、プレゼン能力といった部分がより重要視されています。今後の大学入試・高校入試でもこういった必要とされる能力を見極める出題へどんどん変化していくことが予想されています。

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